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子宮頸がんワクチンについて

2020.04.15

当院では4価ワクチン(ガーダシル®, MSD)が接種可能です。

定期接種の対象は小6〜高校1年相当です(標準的には中1)。

初回接種から半年間に計3回接種を行います。

 

子宮頸がんワクチンは2010年から公費助成が始まり、2013年4月からは定期接種が開始されました。しかし、接種後に持続する疼痛や運動障害などの例が報告され、わずか2ヶ月で厚労省は積極的勧奨の差し控えを決定しました。これにより、それまで70%程度であった接種率が1%未満となってしまいました。

 

その後厚労省研究班(祖父江班)や名古屋スタディなどの国内における疫学調査によって、上記のような副反応が非接種群と比較して、決して多くないことが示されました。

(つまり、子宮頸がんワクチン接種後の副反応のような症状は、接種していない同年代の女児にも一定の割合で起こりうることを示しました)

世界的に見ても、上記のような副反応と思われる症状が、統計的有意差をもって増加するという報告はありません。世界的には安全性の高い予防接種として広く接種されているのに対し、先進国では日本だけが接種率が低い状態です。

 

一方で、これはあくまで個人的な考えですが、個別のケースにおいて、本当に副反応がなかったかを議論するのは大変難しい問題だと思います。

例えば、なにか日本人に特有の遺伝子的な素因がある子だけに起こる副反応があるかも知れませんし、実際脳炎/脳症のような病態にあるお子さんもいるのかも知れません。

これらが「ある」と証明するのは大変難しいことですし(今まで無いと考えられていたものを証明しなければいけないので)、逆に「ない」と証明するのも(悪魔の証明的に)難しいことです。

 

しかしここで述べたいのは、これらの副反応があるにせよないにせよ、統計学的有意差をもって増加するわけではないということです。

子宮頸がんには毎年1万人が罹患し、2800人の方が亡くなっています。

COVID-19の流行により、ウイルスによる死が身近に感じられる方も多いかと思いますが、毎年HPVウイルスでもこれだけの方が日本で亡くなっているのです。

現在日本で利用可能な2価または4価の予防接種を行うことにより、子宮頸がん全体で6割を、また20-30代の子宮頸がん患者に限定すれば、80-90%が予防可能と言われています。

HPVウイルスには予防接種していない女性の8割がかかるとされ、またコンドームを使用しても感染は防げません。従って初交の前に予防接種することが推奨されています。

予防接種することで、これらの子宮頸がん患者は確実に減ります。

 

極めてまれに起こるかどうかわからない(あるかどうかもわからない)副反応のデメリットと、確実なメリットを比較すれば、他の予防接種と同様に接種しない理由がありません(他の予防接種にも極めて稀な副反応はあります。どんな薬にもデメリットはありますが、メリットが大きいと考えられる場合に投与するのです)。

厚労省の対応があまりにも遅いため、最近は日本産婦人科学会をはじめ各学会が接種再開を促す声明/活動を開始しております。

積極的勧奨からは外されておりますが、対象年齢の方は定期接種で行うことが可能です。

ワクチンに限りがございますので、接種ご希望の方はお問い合わせください。