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アトピー性皮膚炎・肌が弱いお子さんの日焼け止めの選び方

[2026.06.17]

アトピー性皮膚炎や乾燥肌のお子さんは、皮膚のバリア機能が弱くなりやすく、汗・摩擦・乾燥・紫外線などで湿疹が悪化することがあります1)。
一方で、紫外線を完全に避けすぎる必要はありません。大切なのは、日陰・帽子・衣類・日焼け止めを組み合わせて、肌に負担をかけすぎずに紫外線を防ぐことです2)。

基本は塗るより先に避ける

小さなお子さんでは、まず以下を意識しましょう。

  • 日差しの強い時間帯の長時間外出を避ける
  • つばのある帽子を使う
  • 薄手の長袖、ラッシュガードなどで肌の露出を減らす
  • ベビーカーや屋外遊びでは日陰を活用する
  • 露出する部分に日焼け止めを使う

日焼け止めだけで紫外線対策を完結させるより、衣類や帽子と併用した方が肌への負担を減らしやすくなります。

日焼け止めの選び方

肌が弱いお子さんでは、以下のような日焼け止めを選ぶとよいでしょう。

1. 普段使いはSPF15〜30程度で十分

日本小児皮膚科学会では、集団生活で使う子どもの日焼け止めとしてSPF15以上PA++〜+++が目安とされています2)。
日常生活や通園・通学、公園遊び程度であれば、むやみにSPF50+を毎日使う必要はありません。

ただし、海・プール・山・長時間の屋外活動では、SPF30〜50、PA+++以上、耐水性のあるタイプを選ぶとよいでしょう。

2. 紫外線吸収剤不使用ノンケミカルを目安に

日焼け止めの紫外線防御成分には、大きく分けて紫外線吸収剤と紫外線散乱剤があります。
紫外線吸収剤は使用感がよい一方で、まれにかぶれの原因になることがあります。紫外線散乱剤には酸化亜鉛や酸化チタンがあり、白くなりやすい欠点はありますが、敏感肌向け・子ども向け製品に使われることが多い成分です3)。

アトピー性皮膚炎や肌が弱いお子さんでは、まずは

  • 紫外線吸収剤不使用
  • ノンケミカル
  • 酸化亜鉛・酸化チタン配合
  • 無香料
  • 無着色
  • アルコールフリー
  • 石けんや通常の洗浄料で落とせる

といった表示を目安に選ぶとよいでしょう4)。

3. 香料・精油・植物エキスが多いものは注意

天然成分オーガニックと書かれていると肌にやさしそうに感じますが、香料、精油、植物エキスなどが刺激やかぶれの原因になることもあります。
肌が弱いお子さんでは、成分数が多いものよりも、無香料・シンプルな処方のものから試すのがおすすめです。

4. 湿疹が強い部分には無理に塗らない

赤くただれている、ジュクジュクしている、ひっかき傷がある、しみて痛がる部分には、日焼け止めが刺激になることがあります。
その場合は日焼け止めで隠すより、まず湿疹を治療し、衣類や帽子で紫外線を避ける方がよいことがあります。

塗り方のポイント

日焼け止めは、少なすぎると表示通りの効果が出ません。顔では一度塗って終わりではなく、少量を均一にのばし、可能であれば重ね塗りすると効果が安定します2)。

塗り忘れやすい場所は、耳、首の後ろ、手の甲、足の甲、鼻、頬です。

汗をかいたり、タオルで拭いたり、水遊びをした後は落ちやすいため、2〜3時間ごと、または汗・水の後に塗り直しましょう2)。

保湿剤と日焼け止めの順番

アトピー性皮膚炎や乾燥肌のお子さんでは、基本は

保湿剤 → 日焼け止め

の順番です。

保湿剤を塗った直後に日焼け止めを重ねると、日焼け止めが薄まったり、ムラになったりすることがあります.可能であれば、保湿剤を塗って少し時間をおいてから日焼け止めを塗るとよいでしょう。湿疹肌向けの情報では、保湿剤と日焼け止めの間を30分ほど空ける方法も紹介されています6)。

使用前のオープンパッチは必要?

結論として、すべてのお子さんに必須ではありません。
しかし、アトピー性皮膚炎があるお子さん、化粧品や保湿剤でかぶれたことがあるお子さん、初めて使う日焼け止めを広範囲に塗る予定がある場合には、使用前に小さな範囲で試すことをおすすめします。

これは病院で行う正式なパッチテストとは異なり、家庭で行う試し塗りです。

家庭での試し塗りの方法

  1. ステップ1
    腕の内側など、皮膚が比較的薄い場所に少量を塗る
  2. ステップ2
    その日は洗い流さず、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感が出ないか見る
  3. ステップ3
    可能であれば、同じ場所に1日1回、3〜5日ほど続けて確認する
  4. ステップ4
    赤み、かゆみ、腫れ、ブツブツ、しみる感じが出た場合は使用を中止する

一度塗って大丈夫でも、数日後にかゆみや湿疹が出ることがあります。特に旅行やプールなどで広範囲に使う予定がある場合は、数日前から試しておくと安心です6)。

ただし、明らかなかぶれを繰り返す場合や、日焼け止めを塗った部位だけ赤くなる場合は、自己判断で製品を替え続けるより、皮膚科で相談しましょう。日焼け止め成分、香料、防腐剤などによる接触皮膚炎や光接触皮膚炎が関係することがあります5)。

赤ちゃんの場合

生後6か月未満の赤ちゃんでは、まず直射日光を避け、帽子・衣類・日陰で守ることが基本です.どうしても露出部に使う場合は、赤ちゃん用・敏感肌用の低刺激タイプを少量から使い、使用後はやさしく洗い流しましょう4)。

受診の目安

次のような場合はご相談ください。

  • 日焼け止めを塗ると毎回赤くなる
  • ヒリヒリして痛がる
  • 塗った部分だけ湿疹が悪化する
  • 目の周りや顔が腫れる
  • どの日焼け止めも合わない
  • 湿疹が強く、日焼け止めを塗るとしみる

日焼け止めが合わないと思っていても、実際には湿疹のコントロール不足、汗、摩擦、洗いすぎ、落とし残しが原因のこともあります。日焼け止め選びだけでなく、保湿や湿疹治療も一緒に整えることが大切です。

備考:候補にしやすい商品例

以下は、敏感肌・子ども向けとして候補にしやすい製品例です。特定の商品を必ず推奨するものではなく、肌に合うかどうかには個人差があります。購入時は最新のパッケージで、対象年齢、SPF・PA、紫外線吸収剤不使用、落とし方を確認してください。

用途 商品例 特徴
日常使い・赤ちゃん向け ドゥーエ ベビー 日焼け止めミルク SPF20・PA++。紫外線吸収剤無配合。日常使い向け。
乾燥性敏感肌の普段使い キュレル 潤浸保湿 UVエッセンス SPF30・PA++。紫外線吸収剤無配合、無香料、アルコールフリー。
敏感肌の毎日使い ミノンUVマイルドジェル SPF38・PA+++。紫外線吸収剤フリー、石けん・洗浄料で落とせるタイプ。
レジャー・水遊び ミノンUVマイルドミルク SPF50+・PA++++、UV耐水性★★。紫外線吸収剤フリー。
ベビー用の選択肢 ピジョン UVベビーミルクシリーズ 紫外線吸収剤不使用。日常用・ウォータープルーフタイプなどあり。
低価格帯の選択肢 アトピタ 保湿UVクリーム29 SPF29・PA+++。紫外線吸収剤不使用、無香料、アルコールフリー。

 

肌が弱いお子さんでは、高SPFだからよいではなく、毎日嫌がらずに塗れるしみない落としやすい塗り直しやすいことも大切です。

まとめ

アトピー性皮膚炎や肌が弱いお子さんの日焼け止めは、日常生活ではSPF15〜30、PA++程度を目安に、紫外線吸収剤不使用・無香料・低刺激タイプから選ぶのがおすすめです。
初めて使う製品は、広範囲に塗る前に腕の内側などで数日間試しておくと安心です。
日焼け止めだけに頼らず、帽子・衣類・日陰・保湿・湿疹治療を組み合わせて、無理なく紫外線対策を行いましょう。

参考文献

  1. 佐伯秀久. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024. 日本皮膚科学会雑誌. 2024;134(11):2741-2843.
  2. 日本小児皮膚科学会. こどもの紫外線対策について. 日本小児皮膚科学会ホームページ. 令和7年5月.
  3. 環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020. 環境省. 2020;34-37.
  4. American Academy of Dermatology Association. Sunscreen FAQs. American Academy of Dermatology Association website. Accessed June 15, 2026.
  5. Mahajan, V.K. Topical Sunscreens: A Narrative Review for Contact Sensitivity, Potential Allergens, Clinical Evaluation, and Management for their Optimal Use in Clinical Practice. Indian Dermatol Online J. 2024;15(6):920-929.
  6. National Eczema Society. Sun and eczema. National Eczema Society website. Accessed June 15, 2026.
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