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毎年つらい花粉症!知っておきたい治療と対策

2022.02.19

花粉症は一般的にはスギ花粉やヒノキ花粉が飛散する時期に流行する、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状を特徴とする病気です。日本人の国民病ともいわれることのある病気で、身近な病気の一つです。最近ではアレルギー疾患の低年齢化も進んでおり、幼稚園や小学生のお子さんでも見られることの多い病気です。

花粉症について、よくいただくご相談をまとめましたのでご家庭での対策や治療の選択にお役立ていただければ幸いです。

Q. 花粉症の症状が夏や秋にもあるのですが…

Q. 花粉症の原因を知るには?

Q. 自宅でできる花粉症対策は?

Q. 毎年花粉症の症状がひどくてつらいです。何とかなりませんか?

Q. お薬を飲むと眠くなってしまいます。

Q. 初期療法って何ですか?

Q. 舌下免疫療法って何ですか?
Q. 点鼻薬と飲み薬の違いは?

Q. 花粉症のシーズンになると目や肌がかゆくなりますが、関係ありますか?

Q. 体の中のコップがいっぱいになると花粉症になるって言いますが本当ですか?

Q花粉症の症状が夏や秋にもあるのですが…

A日本で花粉症で悩む方の多くは、毎年2月ごろ~4月ごろにかけて飛散するスギやヒノキの花粉が原因であることがほとんどです。日本人の42.5%は花粉症であると報告されており、そのうちの9割以上の方はスギ花粉が原因の花粉症に悩まされています(鼻アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020)。そのため花粉症シーズンと言われると、スギやヒノキの花粉が飛散する時期をイメージされますが、初夏~秋にかけて花粉が飛ぶイネ科のカモガヤやオオアワガエリ、キク科のブタクサやヨモギなどが原因となってアレルギー症状を起こし、初夏~秋にかけて症状がみられることもあります。人によっては複数の植物に対して花粉症症状が現れる場合もあるため、季節ごとに様々な花粉に体が反応して症状がみられることもあります。また、1年中症状がみられる場合には、花粉以外のものが原因となってアレルギー症状を引き起こしていることもありますので、どんな物質にアレルギー反応を起こしているのか原因を特定することが花粉症やアレルギー症状の治療では重要です。

Q花粉症の原因を知るには?

花粉症やアレルギー性鼻炎の原因を調べるためには、症状がみられる時期や日頃の生活習慣などから疑わしい物質を推測することが大切です。血液検査を行う際には、アレルゲンとして推測されるものを選択して検査する方法があります。多くのアレルゲンが影響している事が懸念される場合は、1回の採血で41種類の検査ができるドロップスクリーンと呼ばれる機会を使用して検査することもあります。症状の現れ方や生活の中で心配なことなどを伺ってどちらが良いか相談しながら一人一人に合った検査を選ばれることをお勧めします。

Q自宅でできる花粉症対策は?

花粉症の飛散シーズンになると、空気中に花粉が飛散して換気をする際に家の中に侵入してきたり、外出した際に服に花粉が付着して室内に侵入したりします。花粉症の対策の基本は花粉に触れない、吸い込まないことですので、まずは室内に花粉を入れないこと、侵入してしまった花粉を放置しないことが重要です。

室内に花粉を入れないために、室内に入る前に上着についた花粉を手で払ったり、上着をリビングに持ち込まない、自宅に帰ったら手洗いうがいをしたり、顔を洗うなど花粉がついていることを想定して落としてから入室するようにしましょう。

換気をした後や朝起きた後には掃除機をかけるなど、こまめに掃除をするようにしましょう。床におちた花粉は水拭きすると飛散することも少なく、しっかりふき取れます。また、ソファやカーペットなど布地のものには花粉が付着・侵入しやすいので忘れずに掃除することもポイントです。

Q毎年花粉症の症状がひどくてつらいです。何とかなりませんか?

原因となる花粉が飛散するシーズンは毎年やってきますので、毎年症状がつらいという方は多くいらっしゃいます。症状がひどくなる方は、症状が出てから治療を始めたという方が多くいらっしゃいます。実は花粉症は花粉が本格的に飛散する前からお薬を飲み始めることで、花粉症飛散のピーク時の症状を和らげる効果が期待できることが分かっています(鼻アレルギー診療ガイドライン,2020)。これは初期療法と呼ばれる治療方法で、花粉が本格的に飛ぶ前の1月~2月上旬(地域により異なる)に、花粉症のお薬を飲み始めて症状が出る前から薬を継続して薬を飲んでアレルギー反応を和らげていく治療です。

初期療法を行うことで、花粉症シーズンに症状が出るのを遅らせたり、症状が治まるまでの期間を短くしたり、症状を軽くする効果が期待できます。

Qお薬を飲むと眠くなってしまいます。

一般的に花粉症やアレルギー性鼻炎の症状を和らげるお薬は効き目の強いものほど、眠気やのどの渇きなどの副作用が出やすいことがあります。症状の出方によっては、薬を飲んでも思ったように効果を感じにくいこともありますので、違う薬の服用を医師に相談することをお勧めします。毎年同じ薬を飲んでいるという場合でも、花粉症の飛散量や症状の程度が年によって変わることもありますので、これまでよりも効き目や副作用を一段階落とした薬でも十分と感じられることもあるかもしれません。またできるだけ強い薬は避けたいと考えられている場合には、先述した初期療法を試すこともお勧めです。

Q初期療法って何ですか?

花粉症の初期療法とは、花粉が飛散するピークより前に薬を飲み始めて、花粉に対する反応を和らげるように体を整える治療方法です。症状が出てから治療する場合よりも、症状が出る期間を短くしたり、症状を軽くしたり、お薬を飲む量を減らせるといった効果が期待できる治療方法です。花粉の飛散状況にもよるため、目安にはなりますが、茨城県では毎年1月中旬~2月上旬が初期療法開始の時期になります。


Q点鼻薬と飲み薬の違いは?

点鼻薬は鼻水や鼻づまりを解消する目的に使用しますが、飲み薬は鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどアレルギー反応全般の症状の解消を目的に使用します。ただし、飲み薬は眠気や口の渇きなどの副作用がでることもあります。点鼻薬では眠気や口の渇きといった副作用は出ませんが、点鼻薬の種類によっては注意が必要なものもあります。ドラッグストアなどで市販されている点鼻薬の多くには鼻づまりを解消する血管収縮剤という成分が含まれており、多用すると薬剤性鼻炎といって薬が効きにくくなったり、鼻づまりが治りにくい状態になることもあります。点鼻薬だけで何とかしのぐ方もいらっしゃいますが、薬の使い方には注意して飲み薬と併用してうまく花粉症と付き合っていくことも大切です。

Q花粉症のシーズンになると目や肌がかゆくなりますが、関係ありますか?

花粉症の症状で一般的なものに鼻水や鼻づまり、くしゃみと言った症状が挙げられますが、目や肌のかゆみが現れることもあります。人によって症状が様々ありますが、花粉症シーズンに何らかの症状が出るという場合には、花粉に対してアレルギー反応を起こしていることを疑った方がよいでしょう。

花粉などの季節性のアレルゲンがきっかけとなって起こる肌荒れは花粉皮膚炎と呼ばれます。肌が乾燥したり、赤みを帯びて、チクチクしたかゆみや痛みを感じることがあります。まぶたや頬、あご、首などに症状がみられることが多く、肌を引搔いて肌のバリア機能が低下するとますます悪化してしまうこともあるので、注意が必要です。

Q体の中のコップがいっぱいになると花粉症になるって言いますが本当ですか?

よく言われるたとえ話で「人は身体の中にコップを持っていて、そのコップに花粉が溜まりきると花粉症になる。コップがいっぱいになると、治ることは無い。」というものがあります。

花粉症をわかりやすく説明したたとえ話ですが、治ることは無いという点については、最近のアレルギー研究では間違いだということが分かってきました。

最近の研究で、アレルギー反応を起こす免疫細胞の過剰な働きを抑える「Tレグ細胞」と呼ばれる細胞を増やすことで、アレルギー反応を起こりにくくすると言われています。また口からアレルギー物質を吸収することで、その物質に対するTレグ細胞が作られると言われており、スギ花粉やダニアレルギーの治療法の1つである舌下免疫療法もこのメカニズムを活用した治療法になります。

Q舌下免疫療法って何ですか?

舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギーのある方に適用される、アレルギーの原因となるアレルゲンを毎日少量ずつ服用していく治療方法です。体質を改善してアレルギー反応を起こりにくくする効果が期待できます。スギ花粉やダニアレルギーのアレルゲンに対する反応を起こりにくくするため、症状を軽くしたり、服用する薬の量を減らしたりする効果が期待できます。

ダニアレルギーの舌下免疫療法はいつでも開始することができますが、スギ花粉症の方の場合、スギ花粉が飛散する1月~4月は治療開始できません。花粉症にお悩みの方は5月~12月に治療開始となります。毎日お薬を服用する必要がありますが、5歳以上であれば治療開始することができます。治療を継続するポイントや治療方法について詳しく知りたい方は医師にご相談ください。

〈meta name=”description” content=”国民病ともいえる花粉症について、患者様からよくいただく質問をまとめました。花粉症対策や治療方法の選択にご活用ください。鉾田市の鬼沢ファミリーではお子様から高齢者まで花粉症治療を行っています。”/〉

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